03. 至福の場所・至福の時間・そうしてある今の幸福

(夏木くんと薫流ちゃん)

好きな娘が、無邪気な表情で名前を呼んでくれる。

それは、月並みな好意の証だけど。
お世辞抜きで、嬉しいことなんだよ。

君は年下扱いを嫌うけど、こっちが大人な振りしてるだけで
子供と見た覚えなんてない。
「嘘だ。信用できない」
真面目に高速で却下された。
「こうすれば、信じる?」

手加減なしで華奢な体を腕に収めると、あ然とした様子の、
言葉をなくした薫流の唇を奪った。

束の間のラブシーンの後。
「・・・初キスの雰囲気がゼロ」
「うん。俺も唇にするのは、初だった」
「唇以外には、あったんだ」

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written by ナルセ